信頼関係が大切である

建物名称 :
和光市某マンション2
所 在 地 :
埼玉県和光市
工事期間 :
平成22年3月~7月
工事内容 :
外壁等大規模改修工事

本マンションは今年で築13年目。一般には10年目を目途に大規模修繕を行うが、やや遅れてこの度、日防技研様の多大なるご協力を得て、無事にマンションの1回目の大規模修繕を行うことができた。今回の修繕工事ではNPO法人の協力によって、内容的に相当厳しいレベルの仕様書を作成し、実施して頂く施工業者の公募を行った。

この公募では、見積書のみならず、工事のご担当の方のヒアリングや、付近で実際に工事を行った現場の視察も行った。応募のあった施工会社は3社であった。実は、日防さん(以後は親しみをこめて「日防さん」と呼ばせて頂く)は、見積価格だけみれば一番安いところではなかった。しかし、入札は価格と技術の両面からの考察が必要だ。管理組合で行ったヒアリングでの説明や現場の視察から、技術面・信頼面で得た評価が高い日防さんを最終的に選定させていただいた。入札書類の技術面の評価といっても素人の私たち理事ではどれだけの評価ができるのかという懸念もあったが、実際の工事を経験した視察先マンションの理事の方々との信頼関係と満足度が技術の一端を表しているのではないかと感じた。

実際に当マンションの修繕工事でも、私たちは満足のゆく内容で、他のマンションの方が視察に来られても「お勧め」させて頂くであろう。

数回にわたる管理組合の立会検査に管理組合側アドバイザー(一級建築士)にも同行していただいたが、日防さんの技術力に対してはアドバイザーの評価も高く、管理組合が要求するハイレベルな仕様に対してこれだけの技術を以て工事を完成できる施工会社は数少ないであろうという感服と称賛のコメントであった。

当マンションでは外壁タイルの目地部分のシールに新築時施工時の不良個所があった。この対処には大幅な改善工事が必要で、予算アップが必要であったが、そこを日防さんとコンサルタントさんからの提案で予算内での工夫で対処して頂いた。この対処は非常に手間のかかる作業であり、職人さん泣かせであったと推察されるが、進んでそのように対処して頂いた。職人さんの信念ともいうべき心意気も感じた。他のマンションの失敗例をみると施工会社は「いいわけ」が多いそうだが、日防さんには新築時不良を「いいわけ」にすることはなく、今ある現実から出発し、自分たちの出来うるかぎりの技術を以て新築時不良を良好な状態に補修しようとしてくれていたし、それだけの技術を持っていることが伺えた。

今回の問題点をあえて挙げるならば、工期が予定よりも長くなってしまったことである。これは主に今年は積雪の日が多かったなど天候によるものだが、気温や湿度など天候と工事の質の関係について管理組合としてもっと住民に丁寧に説明すべきだったと反省する。住民にとっては、覆いがかかった状態での生活は思いのほか不便を感じたようである。

今回の修繕工事は、事故もなく、無事に竣工したが、皆が納得し、満足のゆく工事ができたと思う。一見表面はきれいになっても、下地も含めて中の部分までは正直なところ判らない。悪意があって、ごまかそうと思えばそうできるものであり、昨今はそのような業者が横行しているとも聞いている。しかし、日防さんはそうではないと信じることができる。

竣工検査などにおいても、日防さんは自分たちの仕事に自信を持ち、誇らしげに、ここはこんな苦労をしたんだと説明される姿とその工事の仕上がりをみると、理事会として日防さんに決めたことは間違っていなかったと確信する。今後の建物の経年でその真価が現れてくると思われるが、信頼関係が築かれ、とても満足のゆく工事を実施して頂いたと感謝している。

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