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建物調査⑦シーリング調査

  • 2011/05/31

建物調査シリーズ第7回は「シーリング調査」です。
シーリングとは、初めペースト状の材料が時間経過とともに硬化し、最終的にはゴム状の物質に変化する弾性に優れた建築材です。
主に建物の目地部分などに充填し、溝を埋めることで防水・気密などの役割を果たします。
皆様のご家庭の浴槽廻りなどに充填されているゴム状のものがシーリングです。

そのシーリング材の劣化状況を外観で確認したのち切り取り、専用機械で物性を試験します。
シーリング材も機能が低下し、コンクリートとの隙間に水が侵入する場合があるので、重要な「防水」のひとつと言えます。

下の写真はかなり劣化が進行したシーリング材です。
既に弾性は失われ表面にひび割れが発生してます。12.jpg

これで建物調査シリーズは終了とさせていただきますが、今後も興味深い調査がありましたら皆様にご報告したいと思います。

建物調査⑥手摺根腐食調査

  • 2011/05/24

建物調査シリーズ第6回は「手摺根腐食調査」です。
これは手摺を固定しているコンクリート埋設金物の腐食状況を調べる調査です。
「鉄筋腐食調査」同様コンクリートを斫り、中の金物の錆の付着状況は鉄筋が出てきた場合、その状況も確認します。

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手摺自体はアルミ製の場合が多く、それほど腐食が目立たなくてもコンクリート内の固定金物は、ひび割れなどから雨水が侵入するとこのように腐食が進行してしまいます。
次回は「シーリング調査」についてお話します。

建物調査⑤コンクリート圧縮強度試験

  • 2011/05/21

建物調査シリーズ第5回は「コンクリート圧縮強度試験」です。
シュミットハンマーという機械でコンクリートに打撃を加えて、その「反発度」で強度を測定します。

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新築時に設計基準強度というのが決まっていて、その値を基準に判定します。
次回は「手摺根腐食調査」についてお話します。

建物調査④鉄筋腐食調査

  • 2011/05/17

建物調査シリーズ第4回は「鉄筋腐食調査」です。
実際にコンクリートを一部削り取り(斫り:はつりといいます)鉄筋の状況を確認します。
ここでは鉄筋径・かぶり厚さ等を測定し、鉄筋の錆の付着状況・中性化の進行具合なども確認します。

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ひび割れから水が侵入し、鉄筋が著しく錆びています。
ひび割れを放置するとこのようになってしまいます。
怖いですね!
次回は「コンクリート圧縮強度試験」についてお話します。

建物調査③付着力試験

  • 2011/05/13

建物調査シリーズ第3回は「付着力試験」です。
通常鉄筋コンクリートの建物は外壁の仕上げ材で大きく3つに分類できます。
①コンクリート打ちっ放し(何も塗らない・貼らない)②タイル貼り③塗装
このうち②③について仕上材がコンクリートにしっかりと付着しているかを調べるが「付着力試験」です。
まずタイルまたは塗装面に専用のアタッチメント(座金)を強力な接着剤で貼り付けます。

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しっかりと硬化した後、引張試験機という計器で座金を引っ張ります。

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座金が剥がれたときに試験機のメーターに数値が出ます。

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これが仕上材の付着力になります。
JISで仕上材ごと基準値が決まっていてその数値と照らし合わせるとともに、剥がれた界面についても分析します。
建物上階にあるタイルが万一付着力がなく剥がれ落ちたりすれば、人に当たり怪我をする恐れもあるため十分な管理と的確な補修が重要となります。
次回は「鉄筋腐食調査」についてお話します。

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